HAL財団

「家業」から「地域企業」へ

WEB版HALだより「テキスト版」

2025年12月5日号
通算25-号外08号

満員御礼! HAL農業賞受賞者の声を聞く
十勝地区研修会開催

満員御礼!

十勝地区研修会は、大好評につき定員に達しました。
また研修会を企画します。
ご応募、ありがとうございました。

 今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。
 今回は、第15回HAL農業賞を受賞した十勝とやま農場の外山さん、第20回HAL農業賞を受賞した満寿屋商店の天方さんをお招きしての研修会です。

【開催概要】

日時: 2026年1月16日(金)13時過ぎ受付
13:30ころから16:00ころまで
場所: ①満寿屋商店 麦音店 ガーデンテラス席(特設ビニルハウス)
②交流会  帯広市内 飲食店
内容: ①HAL農業賞受賞企業 十勝とやま農場 外山さんから「新たなチャレンジ」について報告  13:45~
 ①-②質疑応答
②情報提供と質疑応答 満寿屋商店 常務取締役 天方店長から
 ②‐②質疑応答
③交流会(帯広市)    18:00~ (帯広市内飲食店)
交流会参加費: 実費をご負担いただきます。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年12月4日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名程度
対象: 農業従事者
話題提供者: 第15回HAL農業賞優秀賞  十勝とやま農場 外山 隆祥(トヤマ タカヨシ)さん
第20回HAL農業賞優秀賞  満寿屋商店 天方 慎治(アマガタ シンジ)さん
司会:HAL財団 企画室長  上野 貴之
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3442/

2025年12月4日号
通算25-号外07号

HAL農業賞受賞者の声を聞く
十勝地区研修会開催

 今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。
 今回は、第15回HAL農業賞を受賞した十勝とやま農場の外山さん、第20回HAL農業賞を受賞した満寿屋商店の天方さんをお招きしての研修会です。

【開催概要】

日時: 2026年1月16日(金)13時過ぎ受付
13:30ころから16:00ころまで
場所: ①満寿屋商店 麦音店 ガーデンテラス席(特設ビニルハウス)
②交流会  帯広市内 飲食店
内容: ①HAL農業賞受賞企業 十勝とやま農場 外山さんから「新たなチャレンジ」について報告  13:45~
 ①-②質疑応答
②情報提供と質疑応答 満寿屋商店 常務取締役 天方店長から
 ②‐②質疑応答
③交流会(帯広市)    18:00~ (帯広市内飲食店)
交流会参加費: 実費をご負担いただきます。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年12月4日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名程度
対象: 農業従事者
話題提供者: 第15回HAL農業賞優秀賞  十勝とやま農場 外山 隆祥(トヤマ タカヨシ)さん
第20回HAL農業賞優秀賞  満寿屋商店 天方 慎治(アマガタ シンジ)さん
司会:HAL財団 企画室長  上野 貴之
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3425/

2025年12月2日号 (通算25-17号)

ガーデンの原型~農の風景から

 イギリスでは農業生産者は国土の庭師(ガーデナー)だと言われているそうだ。農業をしていることで、食料生産だけではなく知らないうちに国土景観の庭師の役割を果たしている、という意味である。以前、HAL財団主催の緑化セミナーにおいて講師の白井真一さん(株式会社和泉園 代表取締役)が、千歳市のファーム花茶(第13回HAL農業賞優秀賞受賞)の景観について「農の風景がそのままガーデンとなっていて、これぞまさにガーデンの原型だ」と話していたことが思い出される。

菜の花畑が広がるファーム花茶

 

花茶オーナー自作のガーデンも

 農業生産者が国土のガーデナーとして国土景観を作り出しているとすれば、市民もまた、まちのガーデナーとして自然豊かな景観を様々な所で作り出している。その一つの例が北海道ボールパークFビレッジ(通称「Fビレッジ」)だ。

 Fビレッジ内には、四季折々で北海道らしいランドスケープを楽しめるガーデンがある。ガーデン全体のコンセプトは「北海道の新たな交流が生まれるガーデン」。そのガーデンでは、ガーデンデザイナーの柏倉一統氏と佐藤未季氏を中心に、恵庭市の花苗生産・卸業者の(株)サンガーデンの協力のもと、ガーデンサポーターが造園や植物のメンテナンスを行っている。ガーデンサポーターとは、Fビレッジ内ガーデンの景観を向上する活動に参加するボランティアの方々のことである。

翌年の成長に備えるため、枯れた花を摘み取る

 昨年は、3つのガーデン内での活動だけではなくFビレッジ内の道沿いにひまわりを植える作業も。夏の青空の下、ひまわりはきれいに咲き、訪れる人々の目を楽しませていたが、それだけではない。咲き終わったひまわりは緑肥として土にすき込むのだ。ひまわりは景観美化としてはもちろんのこと、緑肥としても大活躍。ひまわりをすき込んだ土には、冬を迎える前に、湧別町から寄贈されたチューリップの球根を植えていた。

エスコンフィールドをバックに、咲き誇るひまわり

チューリップの球根

ガーデンサポーターが手際よく球根を植えていく

 さらに今年は、新たな場所に畑を作りトウモロコシとジャガイモを植えることに。どちらも豊作だったが、トウモロコシは残念ながら、アライグマらしき動物が食べてしまったため、ジャガイモのみの収穫となった。

 トウモロコシもジャガイモも野菜ではあるが、畑もガーデンの一つとして、周りの花や植物とともに道行く人の目を楽しませていた。ここでも、農の風景とガーデンが繋がっている。

ジャガイモの収穫中

 

 Fビレッジは、様々な人たちが協力し合いエリアの価値を高めていく「共同創造空間」を目指しており、ガーデンの景観においても、ガーデンのデザイナー、花苗生産・造園会社、ガーデンサポーターが連携して取り組んでいる。

 こうした、市民、企業、農業生産者がそれぞれの立場から協力し合い、ガーデンを軸としたまちづくりに取り組んでいるのが、全国有数の花苗生産地の恵庭市だ。恵庭市では、行政も協力し、「花のまちづくり」を行っている。花苗生産という農業が作り出す景観と、まちなかで市民が育てる花と緑とを大きく1つの風景としてとらえることができるのが恵庭市の魅力である。農の風景というガーデンの原型からさらなる進化を遂げたガーデンと言えるだろう。

 

(記事:総務部 山京)

 

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3397/

2025年11月18日号 (通算25-16号)

農作業事故を防ぐ

 このテーマで原稿を書く予定はなかったのだが、2025年11月に道東で一人の酪農経営者が作業事故で死亡した。私自身、交流があり同じ価値観を共有していた仲間の一人であり、その報に触れ非常に驚きショックを受けた。ご家族や同僚、近しい仲間たちの悲しみは筆にするのも難しい。悲しい思いでこの文章を書いている。

 多くの農業者は、安全で安心な食品に関わる仕事をしているという自負がある。より良い食べ物を消費者に届ける、そんな思いを持っている生産者がほとんどだろう。一方、実際の仕事の現場ではまだまだ危険なことが多いのも事実だ。そこまでお金をかけられない、人的余裕がないなどの理由があるのだ。

 北海道農作業安全運動推進本部の報告によると、令和6年度(2024年度)の負傷事故は全道で年間2,068件。さらに、死亡事故は17件であったという。このデータは、市町村の把握、農業協同組合共済の事故把握に基づくデータなので、それ以外の事故件数はさらにあるということだ。

 この把握されたデータだけでも、負傷事故は1日に5件以上も発生していることになる。農協の共済を使わないあるいは市町村も把握しないような軽微な事故はどれほど起きているだろう。また、令和6年は前年(令和5年)に比べ、死亡事故が7件増の17件となったという。そのうち13件(76.5%)が農業機械による事故だ。

 最近は多くの農業現場で「GAP(G-GAP、J-GAP)」や「カイゼン」「TQC」などの導入をしている事業所も多いだろう。労働安全をも含めた作業工程の見直しが進んでいる。どのような手法をとっても構わないのだが、何より大切なことは「仕事で事故に遭わない」ということだ。

 地元のJAや自治体でも作業事故対策の講習などを行っているはずだ。あるいは、最寄りの消防署に相談すると、非常時の研修なども行っている。ぜひとも体験して欲しい。

 長年の経験ややり方があるのだろう。しかし、経験は経験として、今一度、自社の自身の安全対策を考え、外部の講習などをぜひ受講して欲しいと切に思う。

 また、高所作業などはやはり「ヘルメット」の着用が必要だ。危険物や落下物が発生しそうな場所での作業でもヘルメットは必須だろう。

 事故で悲しむ人が出るのは一番避けたいことだ。そして、二度とこのような思いで文章を書きたくはないと強く思う。

(取材・記事:企画室 上野貴之)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3360/

2025年11月11日号 (通算25-15号)

畑作中心の十勝で西洋野菜を育てること②

*今回の「WEB版HALだより」は、野菜ソムリエとして大活躍の吉川雅子さんにお願いしました。

なお、この文章は、筆者及び筆者の所属する団体の見解であり当財団の公式見解ではありません。

*2回連載の第2回目となります。

レポート:吉川 雅子

◆理想のリーキにたどり着くまで

こだわりの土

リーキの本場・フランスで見た美しさとその美味しさに魅了され、作ることを決めたリーキ。その後も、生産量の多いオランダやドイツなどに足を運び、栽培方法を学びました。「最初は国内のタネを使ってみたがうまくいかなかったので、海外から約50種類のタネを取り寄せて栽培し、最終的にオランダの品種に落ち着きました」。
有機物と微生物を畑に投入することで、微生物の働きにより作物が養分を吸収できるように手助けをするのが生産者の仕事だという章さん。父の代から畑に堆肥を投入し続けてきた結果、リーキはもちろん、さまざまな野菜も立派に生育しています。

力を入れている土
地力があるからこそすばらしいリーキが育つのですね

リーキの理想的形状

リーキと一般的な長ネギ(根深ネギ)の違いは、太さと緑色の葉の形状、そして香りです。根深ネギに比べると、リーキは太く、長ネギの直径の2~3倍程度の太さになることもあります。リーキの葉はV字に広がり、空洞はなく厚みがあって、ニラのように平ら。リーキはネギ特有の刺激臭が少なく、一般的な長ネギよりまろやかでクセが少ないのが特徴です。

リーキ畑で元気に育つリーキ
葉がV字に広がっているのがわかります
リーキをオリーブオイルで炒め、湯を足して煮込み、ミキサーにかけ、
塩とコショウのみで味付けたポタージュ
素材がいいので、シンプルな味付けが美味しい

長ネギは、夏場の出荷では軟白部が25cm以上、それ以外の時期は30cm以上を目安としています。その長さを確保するために、通常4~5回程度に分けて土寄せします。一方、リーキは溝を掘って植え付けます。長ネギのように土を高く盛りません。章さんが目指す理想のリーキは、"白・黄緑・緑の割合が1:1:1"。本場のフランスのリーキを目指しています。この理想的なバランスになるまでには、7~8年かかったそうです。

太さが半端じゃない「たけなかファーム」のリーキ

3月にハウスで播種、5月下旬に定植、10月下旬~11月下旬にかけて収穫するリーキ。生育期間は約7~8カ月と長ネギの倍以上かかります。収穫したものは順次農園の倉庫の大型冷蔵庫で保管され、汚れなどを取り除いて出荷されます。

◆珍しいからこそ販路を作り出す苦労

2人一組で、フランス製のリーキハーベスターを使って収穫します

自慢のリーキ、必死の販路探し

本場のリーキに近づけるため、現地の市場で確かめ、現地の生産者に学び、土地に合うタネ選びと栽培方法を確立するのに約10年もかかった理想形のリーキ。
しかし、西洋料理ではよく使われるリーキでも、国内ではほとんど知名度がありません。国内の洋食店でも輸入リーキを使うことも多く、販路開拓にはとても苦労したと言います。全国のミシュランの星付きレストランに現物を送るなどして地道に営業。その結果、主に関東のホテルや飲食店に出荷するほか、大手スープ専門店の冷製スープ「ビシソワーズ」にも採用されるようになりました。

努力を重ね、さらに販路拡大へ

飲食店以外に、年々生活者にも広がりを見せ、野菜としてのリーキを取り扱う青果店も増えました。その美味しさは、2024年1月に開催された「日本野菜ソムリエ協会」主催の「鍋野菜選手権」ネギ部門の金賞受賞でも証明されています。

私のオススメは、竹中さんも好きだという「リーキ入りのすき焼き」
煮込んでも存在感のあるリーキは肉のうま味も吸ってさらに美味しくいただけます

2025年10月15日に、東京のシェフやパティシエ、野菜ソムリエを連れて「たけなかファーム」を訪問しました。彼らは2年前にもファームを訪れており、その後、東京の青果店でもファームの野菜を購入しています。
章さんに、今年の生育状況をお聞きしました。「順調です。リーキやセロリアックの収穫はこれからが本格的。よくできているので、多くの方に食べてもらいたい」。

東京のシェフや野菜ソムリエと一緒に撮影!

音更町や帯広市内にも広がっています。音更町の小中学校の給食で使われたり、老舗パン店「満寿屋商店(本店:帯広)」では、シーズンになると各店で、たけなかファームのリーキを使ったパンが登場します。

「たけなかファーム」の帰りに立ち寄った「麦音」では
土日限定でリーキポタージュがパンと一緒に楽しめるそうです

代々守りながら広げていった大切な農地に、リーキという新しい作物を取り入れた章さん。先人たちが大変な苦労をしてきたことが手に取るようにわかるからこそ、リーキをはじめとする西洋野菜を大事に育て上げ、次世代につなげていこうと奮闘しています。


プロフィール

吉川雅子(きっかわ まさこ)
マーケティングプランナー
日本野菜ソムリエ協会認定の野菜ソムリエ上級プロや青果物ブランディングマイスター、フードツーリズムマイスターなどの資格を持つ。

札幌市中央区で「アトリエまーくる」主宰し、料理教室や食のワークショップを開催し、原田知世・大泉洋主演の、2012年1月に公開された映画『しあわせのパン』では、フードスタイリストとして映画作りに参加し、北海道の農産物のPRを務める。

著書
『北海道チーズ工房めぐり』(北海道新聞出版センター)
『野菜ソムリエがおすすめする野菜のおいしいお店』(北海道新聞出版センター)
『野菜博士のおくりもの』(レシピと料理担当/中西出版)
『こんな近くに!札幌農業』(札幌農業と歩む会メンバーと共著/共同文化社)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3321/

2025年11月4日号 (通算25-14号)

畑作中心の十勝で西洋野菜を育てること①

*今回の「WEB版HALだより」は、野菜ソムリエとして大活躍の吉川雅子さんにお願いしました。

なお、この文章は、筆者及び筆者の所属する団体の見解であり当財団の公式見解ではありません。

*2回連載の第1回目となります。

レポート:吉川 雅子

竹中章さんとの初めての出会いは、2013年頃に遡ります。帯広在住の野菜ソムリエの紹介で雪が積もったリーキの畑を見せていただきました。その後はメールやSNSのやり取りを続けていましたが、リアルに再会したのは2020年10月。沖縄在住の野菜ソムリエが北海道の産地をいろいろ見て学びたいとのことで、ツアーのアテンドを計画しました。たまたま彼女が行きたい場所の一つが、それまでお付き合いのあった芽室町の生産者。そこを訪ねる2泊3日のツアーの中で「たけなかファーム」も訪問先に加えたことから、その後、十勝に行くたびに寄らせていただくようになりました。

今では引っ張りだこの「たけなかファーム」のリーキ。美しいリーキ畑を見ていると、畑作中心の十勝でリーキという西洋野菜を栽培し続けること、そして、それを販売につなげることなど、いろいろな苦労があったことを感じずにはいられません。

自らを"リーキマン"と称する章さんのリーキ魂をご紹介します。

2013年にお会いした時、雪が少し残る畑で
リーキを収穫するシーンが印象的
「リーキは寒さに強い」とおっしゃっていた章さん

十勝と言えば畑作中心のイメージ

1961年に制定された農業基本法以来、離農家の土地の獲得による経営規模の拡大と、畑作物の輪作による大規模畑作経営が展開することとなりました。特に、1970年代後半以降は小麦の作付けが増加し、1980年代初冬に十勝地方における小麦、てん菜、馬鈴しょ、豆類という4年連作体系が確立されます。

収穫間近の小麦

音更町の「たけなかファーム」は、1915(大正4)年に岐阜県から帯広川西に入植し、その後現在のところに移住します。ですから、北海道に移住したのは110年前になるのですね。

現在は60haほどの広大な農地で小麦やビート、豆(大豆、小豆、金時)、馬鈴しょ(メークイン)などの畑作のほかに、アスパラガス(グリーンとホワイト)、リーキ(西洋ネギ)、セロリアック、フェンネル、ベルギーエシャロットなどの西洋野菜、最近はパクチーも生産しています。

2025年10月15日のパクチーの畑
3日ずつ播種して出荷
ちなみにパクチーの播種は高校2年生の長男が担当しているそう

◆西洋野菜に挑戦するきっかけ

耳慣れない野菜名

「リーキ」とは、地中海沿岸原産のヒガンバナ科ネギ属の野菜。リーキは英語の呼び方で、フランス語では「ポアロ―」、日本では「西洋ネギ」や「ポロネギ」と呼ばれています。主にヨーロッパで生産されているネギで、茎が太く、根深ネギ(白い部分がある一般的なネギ)と似ています。しかし、根深ネギのように葉の中が空洞ではなく、扁平で厚みがあります。茎の白い部分は柔らかくて甘みがあり、ネギ特有の刺激臭もありません。生でも食べられるのですが、加熱調理をするとより甘みが引き立ちます。

輪切りにしてみると長ネギとは異なるのがよくわかります
白から緑へのグラデーションが美しい

「セロリアック」? 「セルリアック」ともいいますが、セリ科オランダミツバ属野菜。セロリの一変種ですが、セロリとは違い、肥大する根茎を食用とします。ほかの呼び方としては「セロリラブ」「根セロリ」、「芋セロリ」など。根茎は直径20㎝ 前後の球形に生長し、内部は白く、セロリに似た香りがあります。日本では長野県などでわずかに栽培されています。

上部はセロリのようなセロリアック
可食部は土に埋まった根の方

国内で知名度のないリーキを栽培しようと思った理由①

「たけなかファーム」がリーキの栽培を始めたのは2007年。きっかけはお世話になっていたシェフからの「フレンチに欠かせない食材のひとつ。作れないか」というひと声。リーキの本場・フランスに行ってみると、カラフルな野菜などが並ぶマルシェ(市場)で白と緑のコントラストが美しいリーキが売られ、訪れる客が次々と買い求めていたのに感動し、「自分でも作ってみたい」という気持ちが湧き、挑戦することにしたのだそうです。
しかし、今から20年も前に、先代たちが栽培していた農産物のほかに、国内でも稀有な野菜を作ってみようと思うきっかけが、そのひと声だけだったのでしょうか。

主に白い部分を食べるリーキ

国内で知名度のないリーキを栽培しようと思った理由②

1915(大正4)年、19歳で岐阜県から入植した章さんの曽祖父。その当時の北海道、そして十勝の様子は私には想像できません。ただ、文献やNHKの朝ドラなどから、荒れた土地を"開墾"して畑にし、タネをその土に落として畑を広げるということを何度も何度も繰り返すことで、今のような広大で肥沃な大地になったと知りました。

「私は小さいころから祖父の背中を見て育ちました。祖父は疲れ果てて、靴を履いたまま土間(玄関)で寝てしまったことが何度もありました。祖父や父たちが畑で黙々と働く姿がとても格好よく見えました」と話す章さん。だからこそ、自然と農業を継ごうと思ったのだそうです。

そして、先人たちが作り続けてきた作物に加え、「欲しい」という声に応えて、リーキを一から挑戦したいと思うようになったのです。

たけなかファームのリーキ畑

*第2回目は、2025年11月11日号に掲載予定です。


プロフィール

吉川雅子(きっかわ まさこ)
マーケティングプランナー
日本野菜ソムリエ協会認定の野菜ソムリエ上級プロや青果物ブランディングマイスター、フードツーリズムマイスターなどの資格を持つ。

札幌市中央区で「アトリエまーくる」主宰し、料理教室や食のワークショップを開催し、原田知世・大泉洋主演の、2012年1月に公開された映画『しあわせのパン』では、フードスタイリストとして映画作りに参加し、北海道の農産物のPRを務める。

著書
『北海道チーズ工房めぐり』(北海道新聞出版センター)
『野菜ソムリエがおすすめする野菜のおいしいお店』(北海道新聞出版センター)
『野菜博士のおくりもの』(レシピと料理担当/中西出版)
『こんな近くに!札幌農業』(札幌農業と歩む会メンバーと共著/共同文化社)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3302/

2025年10月23日号
通算25-号外08号

満員御礼! HAL農業賞受賞者の声を聞く
実需研修会開催

満員御礼!

実需研修会は、大好評につき定員に達しました。
また研修会を企画します。
ご応募、ありがとうございました。

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。今回は、第20回HAL農業賞受賞者である福田農場が手がける「畑でお米チャレンジ」について実需者を交えた研修会です。

【開催概要】

日時: 2025年12月18日(木)16:00~
場所: ①大門福寿し(函館市松風町15-2)  16:00~18:00
②近隣会議室            18:30~20:30
講師: ①会場
 第20回HAL農業賞受賞者 福田農場  福田 稔さん
 函館寿し組合、北海道鮨同業会 理事  長谷川 憲さん
②会議室会場
 乾田直播の技術動向  アサヒバイオサイクル(株)  真中 千明さん
 ほか参加者からの情報提供
内容: ①会場
 畑でお米チャレンジ米を利用した寿司を実演
 寿司店経営者の視点での畑地での水稲品種米についてお話
 各参加者からの質疑応答
②会議室会場
 2025年作付け状況の報告
費用: 実際の飲食に伴う費用は参加者負担(15,000円程度になります)
旅費、宿泊に関する費用は参加者負担。 注)各自手配です。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年10月23日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名
対象: 農業従事者

◇メディア対応について:会場の制約がありますので、11月20日(木)までに担当にご相談をお願いします。(オープンではありません)

主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3132/

2025年10月23日号
通算25-号外07号

満員御礼! HAL農業賞受賞者の声を聞く
石狩・空知地区勉強会開催

満員御礼!

石狩・空知地区勉強会は、大好評につき定員に達しました。
また勉強会を企画します。
ご応募、ありがとうございました。

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。
また、今回は雪印種苗(株)のご協力のもと、緑肥に関しての最新情報の講習もあります。

【開催概要】

日時: 2025年11月10日(月)13時受付
13:15ころから16:30ころまで
場所: ①雪印種苗(株) 長沼研究農場 13:15~15:30
②ファーム花茶   15:45~16:30
③江別市  調整中
内容: ①雪印種苗から緑肥についての最新知見を
②HAL農業賞受賞企業からの「声」を 15:45~16:30
③交流会(江別市)     17:30~
費用: 研修会は無料
交流会参加費は実費負担になります

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年10月23日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名程度
対象: 農業従事者
話題提供者: 第8回HAL農業賞地域貢献賞  有限会社ほなみ 専務取締役 神馬 悟さん
第13回HAL農業賞 優秀賞  ファーム花茶 小栗 美恵さん
司会:HAL財団 企画室長  上野 貴之
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3131/

2025年10月23日号
通算25-号外06号

HAL農業賞受賞者の声を聞く
実需研修会開催

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。今回は、第20回HAL農業賞受賞者である福田農場が手がける「畑でお米チャレンジ」について実需者を交えた研修会です。

【開催概要】

日時: 2025年12月18日(木)16:00~
場所: ①大門福寿し(函館市松風町15-2)  16:00~18:00
②近隣会議室            18:30~20:30
講師: ①会場
 第20回HAL農業賞受賞者 福田農場  福田 稔さん
 函館寿し組合、北海道鮨同業会 理事  長谷川 憲さん
②会議室会場
 乾田直播の技術動向  アサヒバイオサイクル(株)  真中 千明さん
 ほか参加者からの情報提供
内容: ①会場
 畑でお米チャレンジ米を利用した寿司を実演
 寿司店経営者の視点での畑地での水稲品種米についてお話
 各参加者からの質疑応答
②会議室会場
 2025年作付け状況の報告
費用: 実際の飲食に伴う費用は参加者負担(15,000円程度になります)
旅費、宿泊に関する費用は参加者負担。 注)各自手配です。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年10月23日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名
対象: 農業従事者

◇メディア対応について:会場の制約がありますので、11月20日(木)までに担当にご相談をお願いします。(オープンではありません)

主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/3129/

2025年10月23日号
通算25-号外05号

HAL農業賞受賞者の声を聞く
石狩・空知地区勉強会開催

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。
また、今回は雪印種苗(株)のご協力のもと、緑肥に関しての最新情報の講習もあります。

【開催概要】

日時: 2025年11月10日(月)13時受付
13:15ころから16:30ころまで
場所: ①雪印種苗(株) 長沼研究農場 13:15~15:30
②ファーム花茶   15:45~16:30
③江別市  調整中
内容: ①雪印種苗から緑肥についての最新知見を
②HAL農業賞受賞企業からの「声」を 15:45~16:30
③交流会(江別市)     17:30~
費用: 研修会は無料
交流会参加費は実費負担になります

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年10月23日(木)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名程度
対象: 農業従事者
話題提供者: 第8回HAL農業賞地域貢献賞  有限会社ほなみ 専務取締役 神馬 悟さん
第13回HAL農業賞 優秀賞  ファーム花茶 小栗 美恵さん
司会:HAL財団 企画室長  上野 貴之
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
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