新生・HAL財団の願い
~北海道農業に 新しい春(HAL)の息吹きを~
国土の22パーセントを有する北海道は、これまでにも増して、日本における食糧供給のトップランナーとしての役割を果たしていかなければなりません。
農業の発展をより確かなものとするためには、これまでのように右肩上がりの生産力や生産高に力点を置く発想にとどまることなく、真に豊かな暮らしに貢献できる産業としての発展を考える必要があります。
今、人口は減少し、農業就業者も減少の一途をたどっています。人々の意識も大きく多様化する中で、明瞭な四季と広大な大地の恵みに寄って立つ「農業」という営みは、生産に直接関わることのない多くの方々にとっても、心豊かな「北海道暮らし」を実感する源泉であり、そのことへの理解と共感を広く醸成していく意義は大きなものがあります
「agriculture(アグリカルチャー)」と英語表記される農業ですが、生活者としての私たちが、この地で暮らしを重ねていく上でのバックボーンとして、農業や農村が育み、紡いできた生活の価値や文化的価値を深く認識することで、農業を支えるすそ野は大きく広がり、名実ともに“基幹産業”と呼ぶに相応しい、力強い生活産業として再構築されていくに違いありません。
農業・農村が秘める価値への認識を多くの生活者が共有し、農的暮らしとでもいうべき営みへの共感や敬愛の輪を北海道の隅々にまで伝播させていくことは、「持続可能な農業」を下支えし、ひいては、この大地を世界に稀なる”暮らしの王国”へと導くことになると信じます。
新生・HAL財団は、そのスリムさと自律性を活かし、広く、多様なすそ野に支えられた、北海道ならではの「農業・農村の姿」の構築を目ざし、その王国づくりのためのサポートに全力を尽くしていきます。