広報

北海道農業・元気プロジェクト

2007/12/21

「HAL流通研究センター」の役割

新しい生産・流通システムの構築をめざして

  北海道農業はこれまで、規格大量生産型で展開してきました。しかし、今や消費者の嗜好やニーズはきわめて多様化しており、そのニーズに応えるさまざまな外国産農産物が輸入され、量販店の店頭に並んでいます。付加価値の高い商品として注目を集めている有機栽培の野菜なども、例外ではありません。
このような中で、量販店等で外国産が占めている売り場を国産農産物が取り戻すことが、国産農産物の価格の低下を防ぎ、日本の農業、特に北海道の農業を守ることにつながると、私たちは考えました。そのための戦略のひとつとして、現代の消費者にとって大変関心の高い「安心・安全・健康」というテーマに着目し、これに応える農業生産システムを確立すべく、独自の基準による農産物認証制度「HAL認証基準」を2006年に設定。それと同時に、農業経営モデルの創出と環境に配慮した新たな生産・流通システムの構築に取り組む『北海道農業・元気プロジェクト』をスタートさせたことは、既にお知らせしている通りです。


貯蔵・選果・加工の機能を集約

  「HAL流通研究センター」は、航空便・船便ともにアクセスのしやすい恵庭市に、HAL認証農産物の流通拠点施設として設立しました。この施設は貯蔵・選果・加工の機能が集約された、道内ではまだ珍しい施設であり、この試みによって流通コスト削減について実践的に研究するとともに、生産地で商品化することによる付加価値の向上をめざし、開発を進めています。
この施設に集荷している品目は、馬鈴薯、玉葱、南瓜。CA貯蔵から冷蔵庫まですべて備えており、6〜7月までの長期貯蔵が可能で、周年供給できる仕組みになっています。今年度は他品目も含め約200名の生産者・団体の協力のもと、約1万トン程度の取り扱い量となる見込みです。
「HAL流通研究センター」には、稼働開始以来、国内の大手量販店などから多くの視察者が訪れ、また、現状の流通に疑問を感じている生産者からの期待の声が多く寄せられています。時代の変化に対応して、農産物の生産・流通システムも変化していく必要がある。HAL財団は新しい生産・流通システムを開発し、その実践活動を通じて北海道農業の活性化につなげていきます。

貯蔵

温度・湿度を保つ玉葱貯蔵庫(最大貯蔵量2,000トン)、馬鈴薯貯蔵庫(最大貯蔵量1,300トン)などのほか、鮮度を保つ野菜予冷庫(最大貯蔵量50トン)を完備。短期的な貯蔵から長期貯蔵まで、フレキシブルな対応が可能となっています。
 
パレタイザー及び製品保管

選果

コンテナからダンボール詰めまでの工程を自動化。1台で玉葱・馬鈴薯の両方の選果ができます。空洞化した馬鈴薯や腐敗した野菜などを自動選別し、1日につき玉葱なら60トン、馬鈴薯なら40トンの選果能力を持っています。
 
自動選別機

加工

通常の野菜のカットはもちろんのこと、皮むきや店頭販売用の袋詰めまで対応可能な包装加工施設。野菜を出荷するのではなく「商品を出荷する」をコンセプトに、設備の充実を図っていきます。
 
自動袋詰めライン

HAL認証基準

  HAL認証基準は、安全でおいしい農産物を生産するための基準です。この基準は、北海道慣行栽培基準より、使用する化学合成農薬を30%減(将来的には50%減)、化学肥料は50%カットして有機肥料に置き換えており、微生物が元気に生息し、おいしい農産物ができる土壌で生産することを定めています。
また、圃場の土壌診断では、化学的分析のみならず、物理性や生物性についても分析し、一定の条件を満たしていない場合は土づくりから取り組んでもらうシステムになっています。
残留農薬検査では、生産者から使用が申告された農薬だけではなく、ポジティブリストに定められている210成分すべてを検査し、証明書をつけて出荷。さらに、農薬使用や生育状況などを生産者から毎日報告してもらってデータベース化し、土づくりから収穫に至る全てのプロセスをほぼリアルタイムで開示。前提条件をつけずに安心・安全が担保できるシステムとなっています。


室別条件
  玉葱
貯蔵庫1
玉葱
貯蔵庫2
馬鈴薯
貯蔵庫1
馬鈴薯
貯蔵庫2
野菜
予冷庫1・2
面積 454.2m2 113.9m2 251m2 227.1m2 101.2m2
室高 9.2mH 9.2mH 9.2mH 9.2mH 6.0mH
室温/湿度 ±0℃/成行 ±0℃/成行 +2℃/90% +2℃/90% +2〜5℃/成行
南瓜保管時
+15℃以上50%以下
最大貯蔵量 2,000トン 1,300トン 50トン
貯蔵形態 コンテナ
5段積
コンテナ
5段積
コンテナ
5段積
コンテナ
5段積
パレット2段積
穴あき段ポール使用
予冷能力 0.5℃/Day
(18℃-0℃)
/0.5℃
Day=36日間
1℃/Day
(18℃-0℃)
/0.5℃
Day=18日間
0.5℃/Day
(18℃-2℃)
/0.5℃
Day=36日間
15時間冷却
(20℃-7℃)/15h=
0.876℃/h
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